変形性関節症

変形性関節症


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変形性関節症とは? Osteoarthritis

生活習慣病とは?


どんな病気なの??


 高齢になるほど罹患率は高くなります。膝関節や股関節に多く、主な症状は関節の痛みです。

  初期では立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみに痛み、休めば痛みがとれますが、正座や階段の昇降が困難となり(中期)、末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、関節の動きが悪くなります。原因は、関節軟骨の老化によることが多く、肥満や遺伝的な素因も関与しています。

  症状が軽い場合は痛み止めの薬を使ったり、関節内にヒアルロン酸の注射などをします。また、大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションを行ったり、関節を温めたりする物理療法も効果的であり、当院では積極的に行っております。足底板や膝装具を作成することもあります。

  このような治療でも治らない場合は手術治療も検討します。これには関節鏡手術、骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工関節置換術などがあります。


変形性膝関節症

 歩行時、階段昇降時、しゃがみ込みで痛みが出現して生活に支障が出ます。医師による診断のもとで鎮痛薬での痛みのコントロール、関節内へのヒアルロン酸注射などが治療として行われます。当院では医師による治療と並行して、物理療法(温熱療法や電気治療)や理学療法士によるリハビリも積極的に行っています。

 リハビリでは膝関節痛が生じている部位や原因を精査して、徒手療法や運動療法を行います。変形性膝関節症は保存的治療で奏功する場合も多く、ホームエクササイズなども指導して症状改善を目指します。一般的に行われる運動療法としては大腿四頭筋 (パテラ)セッティングと言われる方法があり、大腿前面の筋肉を鍛えることで膝関節を安定させて痛みを和らげます。

変形性膝関節症

大腿四頭筋 (パテラ)セッティング

変形性股関節症 (保存療法)

 先天的な臼蓋形成不全 (股関節のソケットが浅い状態)、何らかの原因による関節唇損傷 (関節の適合性を高める組織の損傷)などの有無などが原因となることもあり、医師により身体所見や画像所見をもとに診断されます。日常生活を変わりなく送れるように、鎮痛薬などで痛みのコントロールを行い、症状緩和を図ります。

 医師により必要と判断された場合は、リハビリテーションも行います。

 股関節の構造的な問題でも痛みが出ることもありますが、股関節周囲の筋肉の硬さや筋力低下などでも股関節の動きに支障が出ることもあります。またhip-spine(股関節-脊柱) syndromeと言い、股関節は脊柱 (体幹)との関係性が深く、互いの症状が大きく影響します。

 慢性的に股関節痛などの症状をお持ちの場合は、股関節だけではなく骨盤や腰椎などの評価も行い、疼痛緩和に努めます。

 一般的な運動療法としては、股関節トレーニング(殿筋群)があり、股関節のストレッチとしては殿部や鼠径部のストレッチなどを行い股関節の動きを改善することで症状緩和を図ります。

股関節トレーニング (中殿筋と深部外旋筋)

股関節トレーニング (中殿筋と深部外旋筋)